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                                               ビジネスパーソンの常識

                  複式簿記がわかる

                「イブと花子」の簿記物語

 

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はじめに

社会人になると、「会社では、せめて簿記3級程度の知識が必要だよ」と、よく言われます。それは、会社の行為のすべてが簿記と関係しているからです。会社は、複式簿記を利用して、毎年、財務諸表という決算書を作成し、多くの利害関係者の人たちに開示しています。

会社が作る財務諸表という決算書には、ビジネスパーソンとして行動したことのすべてが、一年間の会社の事業報告書として、記載されています。

この決算書を作る考え方の基礎は、複式簿記です。複式簿記の考え方に基づいて決算書が作られています。したがって、複式簿記の知識は、会社に関係している人の「基本」であり、「常識」でもあると言えます。

今は、複式簿記の知識がなくても、パソコンの助けを借りて伝票を入力すれば、あとは帳簿の作成から決算書まですべてプリントアウトしてくれます。また、より詳しい経営に関する分析資料も出力することが出来ます。

  しかし、こんなに便利になったことで問題も起こりました。せっかく揃った決算書や経営の分析資料を十分に使いこなせなくて困っているビジネスパーソンが増えているのです。

そして、その多くの人が、もし、複式簿記の知識を持っていたら、これらの資料を十分に使いこなすことが出来るのにと、残念に思っているのです。

大事なことは、それだけではありません。複式簿記がわかっている、わからないということで、仕事の上で評価が左右されます。複式簿記の知識を持っていることは、それだけ価値があることなのです。

複雑化した経済社会の中で、ビジネスパーソンにとって、いまほど簿記的なセンスが必要とされる時代はないのです。

もし、複式簿記を勉強したことがないとか、勉強してみたがよく理解できていないとお思いなら、ぜひ、この本を読んでみてください。

この本は、これから簿記の勉強を始めようと思っている人、簿記の入門書を読んでみたが、よくわからない、つまらないと言って、簿記の勉強を放棄してきた人たちのために書かれた、まったく新しい本です。

  これまで複式簿記の勉強を始めた人が、すぐにギブアップしてしまう主な原因は、一口に言うと簿記用語の「借方」、「貸方」にあります。そこで、「借方」、「貸方」という言葉を使わないで、もっと簡単に簿記が理解できる方法を考えてみました。

  それは、(1)科目の分類、(2)科目の増減処理という2つのルールに従って、「イメージ仕訳」をする方法です。 

たとえば、現金売上によって、現金が10円増加したとします。

  この仕訳は、現在行われている借方、貸方を使うと、次のようになります。

    (借 方)     (貸 方)

    現金  10円 /  売上  10円

                     

これを、新しい「イメージ仕訳」では、ホップ→ステップ→ジャンプで、次のように考えます。

 

1、ホップ ・・・科目付け

   得意の勘定科目(科目のうち自信の持てる科目のこと)を探す

2、ステップ・・・増減付け

その勘定科目が増加したのか、減少したのか

を判断する

3、ジャンプ・・・左右付け

その勘定科目を左側に書くか、右側に書くか

を確認する

 

そこで、イメージ仕訳をすると、このようになります。

   1、ホップ・・・科目付け

    得意の勘定科目(自信のもてる科目)を現金だとすると、

   2、ステップ・・・増減付け

現金が増加、

   3、ジャンプ・・・左右付け

現金(資産グループ)の増加は左側

  

ホップ

ステップ

ジャンプ

科目付け

(得意科目)

増減付け

左右付け

◎現金 10円

売上 10円

  増

  (注)得意科目(自信のもてる科目)に◎をつけます。 

  そこで仕訳は、ジャンプを見ると現金は左側に書け                                   

ば      ばよいので、

     現金   10   /  売上     10

となります。 

「イメージ仕訳」ができるようになれば、その取引が決算書にどのような影響を与えるかということもイメージできるようになり、決算書だけでなく経営の分析資料も十分に使いこなすことができるようになります。

       

この本は、これだけは知っておきたい複式簿記の基礎がスラスラと頭に入り、実力が身に付く工夫をしました。

第1部では、複式簿記のイロハも知らない花子さんが、公認会計士イブさんの指導で、複式簿記を利用して決算書ができるまでを理解していく過程を対話形式の物語でまとめました。お店を経営している太郎さんの奥さんの花子さんと公認会計士のイブさんの会話を通して物語が展開していきます。決算書について、絶対知っておかなければいけないことを、ストーリーにしてやさしく解説しています。

第2部では、簿記検定試験の3級レベルの練習問題を「イメージ仕訳」を使って解く練習をします。

また、参考として、会社の決算書を、「イメージ仕訳」を使って、経営分析する方法を解説しています。

この本は、会社に入社された人、会社勤めをしていて決算書を使いこなしたいと思っている人、簿記の検定試験を受けようと思っている人、起業家を目指している方が、複式簿記の勉強を始める前に、ぜひ読んでもらいたいと思って書かれた本です。

この本を読み終えるころには、複式簿記とはこんなものかということがわかり、しかも、いかに役に立つものであるかということが、わかっていただけると思います。

「複式簿記は常識」と、誰もが言える社会が来ることを楽しみにしています。

平成21年 9月        

依田宣夫

 

目 次

はじめに

第1部    イブと花子の簿記物語

第1回 そもそものはじまり

.簿記の目的をはっきりさせよう

.商売を始める

.改めて簿記の目的を考えてみよう

.スマートな報告書のスタイル

まとめ/ 解答

第2回 まずは報告書とお近付き

.おさらい

.お金を借りて商売を始める

.さらに報告書にお近付きを

.損益計算書は2つのグラウンドと表彰台

.利益はミステリー・ゾーン

まとめ/ 解答

第3回 事実がだんだん多くなる

.おさらい

.資産・負債・資本ってナンダロー

.費用・収益は以心伝心なんとなく

.今度は事実とお近付き

.事実が増えたらどうすればいいのか

まとめ/ 解答

第4回 今日がクライマックス

      1.おさらい

.現金がらみに強くなろう

.増減・左右の秘密

 4.三段跳びゲーム 上級編

まとめ/ 解答

第5回 ここまでくれば経理マン

.おさらい

.掛け取引の処理

.        3.メモ(仕訳)を項目別にファイリング(転記)する

.試算表を作成する

.補助簿とは

第6回 いよいよ最後の報告書

.おさらい

.試算表のお化粧直し(決算整理)

.精算表の作成

.報告書を作る

   

第2部    厳選・仕訳の練習問題

    1.仕訳の練習問題

    2. 練習問題の解答

    3. 練習問題の解説

(参考) イメージ仕訳を使った経営分析

1.   会社の貸借対照表と損益計算書

2.   イメージ仕訳を使った経営分析

(イ)   従来の経営分析の方法

(ロ)   従来の経営分析

(ハ)   イメージ仕訳を使った経営分析

 

おわりに

 

 

 

 

    (例)  第2部    厳選・仕訳の練習問題

   .仕訳の練習問題

       問2 じろう商店から商品5,000円を仕入れ、代金は掛けとした。なお、

        引取運賃300円については現金で支払った。 

     問12 当期末までに計上すべき支払利息の金額は、30,000円です。期中に

         支払った金額が25,000円なのでその差額を見越し計上しなさい。

   . 練習問題の解説

       問2.                       

(イ)商品5,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

      

ホップ

ステップ

ジャンプ

科目付け

(得意科目)

増減付け

左右付け

     仕入5,000円

買掛金5,000円

  増

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この場合、仕訳は、仕入を左側に書けばよいので、

      仕入5,000 / 買掛金5,000

となります。 

(  (ロ)引取運賃は、仕入となるので、仕訳は次のようになります。

<!--[if !supportEmptyParas]--> 

ホップ

ステップ

ジャンプ

科目付け

(得意科目)

増減付け

左右付け

     仕入 300円

現金300円

  増

<!--[if !supportEmptyParas]--> 

この場合、仕訳は、仕入を左側に書けばよいので

 仕入 300 / 現金 300

 となります。 

     (イ)   と(ロ)の仕訳をまとめると、 

      (イ)仕 入5,000 / 買掛金5,000 

(ロ)仕 入300  / 現 金300  

<!--[if !supportEmptyParas]--> 

仕 入5,300 / 買 掛 金 5,000

現 金    300  

 となります。 

        問12                         

ホップ

ステップ

ジャンプ

科 目 付 け

(得 意 科 目)

増減付け

左右付け

     支払利息5,000円

未払利息5,000円

  増

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    この場合の仕訳は、支払利息の見越し計上なので、    

    支払利息を左側に書けばよいので,

     支払利息5,000円 / 未払利息5,000円

    となります。