家庭決算書とは
家庭全体の損益の状況や資産と負債の変動をシステマチックに把握するためには、
従来の単式簿記による家計簿でなく、複式簿記を利用して家庭生活の真実の報告書を
もつことが、家庭の経営者に必要となっています。この報告書が家庭決算書です。 家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書という2つの報告書から構成されて
います。財産対照表は家庭の財産の状態を表すもので、資産、負債と正味財産という
内容で構成され、資産は負債と正味財産の合計に一致します。
財産対照表
資産 500
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負債 200
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正味財産 300
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合計 500 |
合計 500 |
また、消費損益計算書は、家庭の収入から消費を差し引いて消費損益を
計算するものです。
消費損益計算書
収 入 500 消 費 △300 特別収入 10 特別消費 △10 |
当期消費損益 200 |
財産対照表と消費損益計算書はバラバラではなく、両者が一体となって構成されて
おり、どちらか一方が欠けてしまうと家庭の経営には役立ちません。
財産対照表は1年のある時点、例えば年の初めとか、年の終わりなどにおける
家庭の財産の状態を明らかにしてくれます。家庭生活をすることによって、毎年
家庭の財産は変化します。年の初めの財産と年の終わりの財産は当然異なります。
なぜ財産が異なり、このように変化したのか、その原因について分析しようとするとき
役に立つのが消費損益計算書です。
消費損益計算書を見ると、どうして財産がこのように増えたのか、また減ったのか、
その理由がはっきりします。両者は一体となって、その役割を果たすのです。
私たちの家庭生活は1年で終わりではありません。これから先、何年、何十年という
長い家庭生活を送るわけですから、自分たちの家庭生活がどのように変化したのか、
その歴史を記録しておくことは有意義なことです。 家庭決算書は1年で終わることなく、今年終えた財産対照表の結果を、そのまま
翌年へ繰り越す(つなげる)ことができます。そして翌年、家庭の消費活動を記録して
いくことで、さらに再来年、またその次の年へとつなげていくことができます。それは
自分たちの財産の歴史が継続的に記録されるのと同時に、自分たちの家庭の歴史も
継続的に記録されることにつながります。
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