依田宣夫の一言コラム

   

 第681回から第690回  


「家庭経営とは」   家庭決算書とは   「家庭簿記入門」


  Top  Home  会社概要  家庭決算  ソフト「家庭決算書」TOP  コ ラ ム  トピックス   本の紹介 家庭簿記  商簿記3級

スマフォ簿記3級

  家計会計協会     

 
 
 
  一言コラム一 
第691回から第700回
第681回から第690回
第671回から第680回
第661回から第670回
第651回から第660回
第641回から第650回
第631回から第640回
第621回から第630回
第611回から第620回
第611回から第620回
第601回から第610回
第591回〜600回

第581回〜第590回

第571回〜第580回

第561回〜570回

第551回〜560回

 第541回550回

 第531回〜540回

第521回〜530回

第511回〜520回

第501回510回

第491回〜第500回

第481回〜第490回

第471回〜第480回

第461回〜第470回

第451回460回

第441回〜第450回

第431回〜第440回

第421回〜430回

第411回第420回

第401回〜410回

第391回〜400回

第381回〜第390回

第371回〜第380回

第361回〜第370回

第351回から第360回

第341回から第350回

第331回から第340回

第321回〜第330回

第311回から第320回

第301回から第310回

第291回〜第300  

第281回から第290回

第271回から第280回

第261回から第270回

第251回から第260回

第241回〜第250回
第231回から第240回
第221回から第230回

第211回から第220回

第201回から第210回
第191回〜第200回

第181回から第190回

第171回から第180回

第161回から第170回

第151回から第160回

第141回〜第150回

第131回から第140回

第121回から第130回

第111回から第120回

第91回から100回

第81回から第90回

第71回から第80回
第61回から第70回
第51回から第60回
第41回から第50回 
第31回から第40回
第21回から第30回
第11回から第20回

第1回から第10回

 

 

      

   

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  特集コラム1 1000兆円の国の借金は、わたしたち、大人の責任です

   特集コラム2  1000兆円の国の借金は、わたしたち、大人の責任です

  


 

                    第681回から第690回

第690回

家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)2月分

第689回

家庭生活は倒産しても終わらない

第688回

2020年4月1日の財産対照表と3月分の消費損益計算書を作りましょう!

第687回

会社の倒産

第686回

4月からこう変わる 働き方改革や家計の負担

第685回

家庭生活入門ー家政学への期待ー (11)

第684回

家庭生活入門ー家政学への期待ー (10)
第683回 家庭生活入門ー家政学への期待ー (9)

第682回

家庭生活入門ー家政学への期待ー第3章 家庭生活と家政学の研究領域(8)

第681回

家庭生活入門ー家政学への期待ー (7)

 

第690回 家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)2月分

家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)2月分 (2020年4月7日公表)

  年平均(前年比 %) 月次(前年同月比,【  】内は前月比(季節調整値)  %)
2017年 2018年 2019年 2019年11月 12月 2020年1月 2月
【二人以上の世帯】
消費支出(実質)
▲0.3 0.3 1.5 ▲1.4
【3.2】
▲3.3
【▲1.2】
▲3.9
【▲1.6】
▲0.3
【0.8】
消費支出(変動調整値)(実質) - ▲0.4 0.9 ▲2.0
【-】
▲4.8
【-】
-
【-】
-
【-】
【勤労者世帯】
実収入(名目,< >内は実質)
1.3
<0.7>
4.7
<3.5>
4.9
<4.3>
4.4
<3.8>
4.6
<3.7>
2.9
<2.1>
2.2
<1.7>
実収入(変動調整値
 (名目,< >内は実質)
-
<->
0.6
<▲0.6>
1.1
<0.5>
2.5
<1.9>
▲1.0
<▲1.9>
-
<->
-
<->

注 調査方法の変更の影響による変動を調整した推計値


≪ポイント≫

    消費支出
      消費支出(二人以上の世帯)は,  1世帯当たり  271,735円
           前年同月比                    実質 0.3%の減少      名目 0.2%の増加
           前月比(季節調整値)     実質 0.8%の増加
    
    実収入
      勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は,1世帯当たり  537,666 円
           前年同月比                    実質 1.7%の増加      名目 2.2%の増加
    

 

















                        

第689回 家庭生活は倒産しても終わらない

 家庭生活は倒産しても終わらない

 家庭生活を続けていくと、債務超過となり

 借金の返済ができなくて、会社と同様、

 家庭生活の倒産が生じることがあります。
  
 しかし、これで人生が終わったわけではなく、

 家庭生活は続いていきます。

 この借金を減額したり、支払いに猶予を持た

 せたりすることにより、借金のある生活から

 解放されるため、債務超過を整理する方法と

 して、「任意整理」「特定調停」「個人再生」

 「自己破産」という手続きがあります。


’ぐ媽依

 借金の減額や金利の引き直しなどを

 借入先と交渉することにより毎月の返済金額を

 減額して、生活に支障のない範囲での返済を

 行えるようにする債務整理の手続です。


 特定調停

  簡易裁判所の調停によってこのままでは

 返済を続けていくことが難しい方が,債権者と

 返済方法などについて話し合って,生活や

 事業の建て直しを図るための手続として,

 民事調停の特例として定められたものです。



8朕楊瓜再生

 現在の借金が返済困難であることを裁判所に

 認めてもらい,減額された借金を3年〜5年かけて

 分割で返済していく手続です。


 借金の額が5,000万円以下の方は、最低返済額が

 最大10分の1(借金の額等により異なります)まで

 減額される(住宅ローンは除かれます)可能性が

 あります。個人民事再生の特徴としては、

 住宅などの財産を維持したまま借金の整理を

 することができ、特定の職業に就けないといった

 資格制限などを受けることもないことが挙げられます。


 ぜ己破産

 財産がないために支払ができないことを裁判所に

 認めてもらうことにより、法律上、借金の支払義務が

 免除される手続です。

 住宅や車などの高価な財産は手放さなければ

 なりませんが、今後の収入は生活費に充てる

 ことができます。

 また、戸籍に残ったり、会社(就職)に支障があったり

 ということはなく、家族が保証人になっていない限り、

 家族にも影響が出ることはありません。




 また、家庭生活を継続してしていくために、

 やむを得ず生活保護を受けたり、ホームレスに

 なる場合があります。

 その現状は以下の通りです。

ホームレス

ホームレスとは、ホームレスの自立の支援等に関する

特別措置法
第二条 によれば、この法律において

「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎

 その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を

 営んでいる者をいう
、とされている。


厚生労働省の
平成31年1月に実施した ホームレスの

実態に関する全国調査(目視による概数調査)結果によると


 路上生活に至った理由としては 「仕事が

 減った」「倒産や失業」「人間関係が

 うまくいかなくて、仕事を辞めた」

 「病気・けがや高齢で仕事ができなく

 なった」などが挙がっている。


また、、ホームレスの自立の支援等に関する

 特別措置法(平成14年法律第105号)等に基づき、

 ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び

 実施に資するため、毎年、各自治体の協力を得て

 行った結果、


1.ホームレスが確認された地方公共団体は、275市区町村で

 あり、前年度と比べて25市区町村(▲9.1%)減少している。


 2.確認されたホームレス数は、4,555人(男性4,253人、

 女性171人、不明131人)であり、前年度と比べて422人

 (▲8.5%)減少している。


 3.ホームレス数が最も多かったのは東京都(1,126人)である。

 次いで多かったのは大阪府(1,064人)、神奈川県(899人)である。

  なお、東京都23区及び指定都市で全国のホームレス数の

 約4分の3を占めている。



 4.ホームレスが確認された場所の割合は、前年度から大きな

 変化は見られなかった。


 (「都市公園」22.7%、「河川」30.3%、「道路」18.7%、

 「駅舎」5.2%、「その他施設」23.1%)



生活保護

生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の

程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の

生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています

厚生労働省は令和2年4月日に、月に生活保護を受給した

世帯が前年同月より1915世帯少なく1641087世帯となったと発表した。

 受給世帯(一時的な保護停止中を除く)を見ると、「高齢者」が

 896,033世帯と全体の55.0% 、このうち単身は約9割に当たる

 820,888世帯。
高齢者世帯を除く世帯は 731,795世帯で、高齢者を

 除く内訳は「傷病者・障害者」が408,167世帯、「母子」が

 80,826世帯、失業者を含む「その他」が242,802世帯だった






















第688回2020年4月1日現在の財産対照表と3月分の消費損益計算書を作りましょう!

     
2020年4月1日の財産対照表を作りましょう!  
    

            財産対照表

(2020年4月1日現在)

                        (単位:円)

左方(ひだりかた)

   金 額

右方(みぎかた)

   金 額

資産の部

 

   負債の部

 

現 金

 

住宅ローン

 

普通預金

 

その他借入金

 

定期性預金

 

カード未払金

 

その他預金

 

未払金

 

土 地

 

後払い電子マネー

 

建 物

 

その他負債

 

マンション

 

負債合計

 

有価証券

正味財産の部

保険積立金

 

 家族財産

 

車 両

 

 留保財産

 

売却可能な高額品

 

 当期消費損益

      

電子マネー

 

正味財産合計

 

その他資産

 

 

現金過不足

 

 

 

資 産 合 計

 

負債・正味財産合計

 

(1)  正味財産の計算

正味財産=資産合計―負債合計

 

(2)留保財産(あなたが今まで働いて自力で築き上げた財産の金額)の計算

 留保財産=正味財産―家族財産

 

     2020年3月1日から3月31日の消費損益計算書を作りましょう!

 

   当月度(3月1日から3月31日)の収入科目と消費科目の合計金額を

   科目ごとに記帳します。

   累計は3月までの合計金額になります。累計の当期消費損益は、

   4月1日の財産対照表の当期消費損益に一致します。

                  2020年度消費損益計算書
                  (3月1日から3月31日)

                             (単位 円)

  科 目

 当 月

 累 計

  科 目

 当 月

  累 計

 収入の部

金 額

金 額

特別収入の部

 金 額

 金 額

給 料

 

 

受取利息

 

 

賞 与

 

 

受取配当金

 

 

家族収入

 

 

受贈給付金

 

 

年金・その他

 

 

資産評価益

 

 

収入合計

 

 

有価証券売却益

 

 

消費の部

 

 

その他  

 

 

税金等

 

 

特別収入合計

 

 

(所得税)

 

 

特別消費の部

 

 

(住民税)

 

 

住宅ローン支払利息

 

 

(社会保険料)

   

 

その他支払利息

 

 

(その他税金)

 

 

資産評価損

 

 

日常生活費

 

 

有価証券売却損

 

 

(食料費)

 

 

  その

 

 

(通信費)

 

 

特別消費合計

 

 

(交通費)

 

 

当期消費損益

 

 

(水道光熱費)

 

 

 

 

 

(新聞図書費)

 

 

 

 

 

(消耗品費)

 

 

 

 

 

その他生活費

 

 

 

 

 

(外食費)

 

 

 

 

 

(交際費)

 

 

 

 

 

(医療費)

 

 

 

 

 

(旅行費)

 

 

 

 

 

(教育費)

 

 

 

 

 

(衣料費)

 

 

 

 

 

消費合計

 

 

 

 

 

通常消費損益

 

 

 

 

 

 

        通常消費損益=収入合計−消費合計

     当期消費損益=収入合計−消費合計+特別収入合計−特別消費合計






第687回 会社の倒産

 倒産とは

一般的に倒産とは、法律用語ではなく、企業

経営が行き詰まり、弁済しなければならない

債務を、弁済できなくなり、銀行取引停止

処分を受ける状態になること
を意味しています。



倒産の具体的なケースとしては任意整理と

法的整理
があります。


1、任意整理

 代表が倒産を認めたとき、債権者等の

 話し合いで会社の整理を行う


 倒産会社と債権者の任意の話し合いにより、

 会社の資産・負債などが整理される。

 この際、裁判所の法的な拘束を受けることは

 ありません。



2、法的整理

  裁判所の関与と監督により、整理が行われる。

 (1)再建型倒産

   裁判所に会社更生手続を申請したとき

  会社更生法

  申請の対象は株式会社のみで、会社が消滅

 すると社会的に大きな影響のある上場企業や

 大企業の倒産に適用されるケースが大半で

 ある。

 旧経営陣は原則としてその後の経営に関与

 できなくなるが、経営責任のない場合に限り、

 経営に関与することができる。


 裁判所は「更生手続きの開始決定」と同時に

 管財人を選任し、事業を継続しながら管財人の

 下で「更生計画」が作成される。

 更生手続きをうまく進めるためには事業管財人

 (事実上のスポンサー)の選任が鍵を握っており、

 その後の更生計画遂行の大きなポイントとなる。

 手続きが厳正・厳格に行われるため、手続き

 終結までに長期間を要していたが、
20034月、

 民事再生法を踏まえ、手続きの迅速化・合理化を

 図るため、改正会社更生法が施行された。



 裁判所に民事再生手続きを申請したとき

 民事再生法

 和議法に代わり20004月から施行され、

 株式会社・有限会社のほか医療法人・

 学校法人などを含む全ての法人及び個人に

 適用される。

 経営破綻が深刻化する以前の早期再建を

 目的としている。

 申し立て人は通常債務者だが、債権者による

 申し立ても可能。

 経営権は原則として旧経営陣に残るが、

 利害関係人の申請または裁判所の職権に

 より監督命令(経営者の後見的立場として

 監督委員が選任される)・管理命令

 (経営者に代わって管財人が選任され経営に

 あたる)が出される場合もある。

 再生計画の認可は、出席債権者数の過半数で

 届出債権額の
12以上の同意が必要となって

 いる。

 また届出債権の
35以上の同意があれば、

 債権の調査確定手続きを省略できる(簡易再生)。

 届出債権者全員の同意があれば、ただちに

 計画の認可を受けることができる(同意再生)。


 (2)消滅型倒産

 
裁判所に破産手続開始を申請したとき

 破産

 倒産会社の財産全てを換価して、債権者の

 優先順位と債権額に応じて配当を行う強制

 執行手続き。

 債務者である倒産会社自らが申し立てる

 「自己破産」、倒産会社の役員が会社の

 破産を申し立てる「準自己破産」、

 債権者(第三者)が破産を申し立てる

 「第三者破産」の3つに分けることができる。

 破産手続き開始決定が出されると、裁判所は

 破産管財人(通常は弁護士)を選任し、

 以降の破産会社の管理は管財人が行う。

 管財人は、倒産会社の財産を管理し資産の

 売却や売掛金の回収によって換価し、債権者へ

 の配当の原資とする。


  ∈枷十蠅貌段明胸山始を申請したとき

 特別清算

  申請の対象は株式会社などで、会社が

 解散登記されていることが前提となる。

 債務超過などで清算の遂行に著しく支障を

 きたす場合などに、裁判所の下で清算業務を

 進める形となる。

 解散登記により就任した清算人が整理の

 手続きを行い、債務弁済の金額・時期・

 方法などを定める協定案を作成する。

 破産手続きと大きく異なり、債権調査・

 確定の手続きがなく、財産換価も一定の

 金額までは清算人が自由にでき、小口債権者

 には裁判所の許可を得た上で協定外で弁済する

 ことも可能。






第686回 4月からこう変わる 働き方改革や家計の負担  


4月からこう変わる 働き方改革や家計の負担

(3/29(日) 22:12配信産経新聞) 
4月1日から企業の働き方改革などに関する新制度が
スタートし労働者の環境整備が進む一方、娯楽施設の
入場料や一部の食料品などが値上げされる。
新型コロナウイルス
の感染が広がる中、制度変更が
経済活動や家計に想定以上の悪影響を与える恐れもあり
注視が必要だ。
 働き方改革に関しては、仕事内容が同じで能力や
成果も同じなら、非正規社員か正社員かにかかわらず
賃金や交通費などの手当て、休暇などを同じにする
同一労働同一賃金」が大企業に義務付けられる。
大企業で昨年から始まった時間外労働(残業)の
上限規制が中小企業でも導入される。
 新型コロナの流行に伴い、テレワーク(在宅勤務)を
導入する企業が増えるが、テレワークは労働時間の把握が
難しく、長時間労働につながるとの指摘も根強い。
人手不足感が強い中小では、残業で人手不足を補う
企業も多いとされ、上限規制が業績に与える影響が
懸念される。
暮らしにかかわる分野では、施設利用料や食料品の価格
など値上げも目立つ。
 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは
一部のチケット料金を値上げする。
1日パスポートの大人料金は現行よりも700円高い
8200円。
新型コロナの影響で両施設とも休業中だが、営業再開と
ともに新料金が適用される。
 日清オイリオグループは家庭用食用油約20品目など
の出荷価格を4月1日納品分から1キロ当たり20円以上
引き上げる。
搾油コストの上昇などが理由。
マルハニチロも昨年の記録的なサンマ不漁を受け、
サンマの缶詰9品目を1缶当たり10円値上げする。
外出自粛などで備蓄需要が高まる中、家計を圧迫しそうだ。
企業活動をめぐっては、鉄鋼最大手の日本製鉄が
子会社の日鉄日新製鋼を吸収合併する。
鉄鋼製品の市況悪化や原料価格の高止まりで事業環境は
悪化しており、生き残りに向けた取り組みを本格化させる。
改正健康増進法
の全面施行で、飲食店や事務所などが
原則禁煙になるほか、あらゆるモノがインターネットに
つながるIoTの機器に不正アクセスを防ぐ機能を設ける
ことも義務付けられる。
















第685回 家庭生活入門ー家政学への期待ー(11)



 第3章 家庭生活と家政学の研究領域

 3 広義の家庭生活による家政学の研究領域

  家庭生活と経営に関する領域(家庭経営学)

 家庭経営とは、
家庭生活の様々な課題に対し、

 健全で安定した生活を築き、維持、向上させる

 ために、経営者として主体的にさまざまな

 生活資源(人的・物的資源)を合理的に配分し、

 家庭生活の全てにわたって有効に活用する

 ことで
す。

 家庭環境が激しく変化している時代、家庭の

 経営者が、自分の仕事と同様、、健全な家庭や

 家族の幸福を考え、家庭において生じている

 さまざまな問題にどう対応するか、現状の把握や

 分析をし、家庭全体の見地からコントロールし、

 バランスの取れた生活を築くためには何を

 すべきか考える必要があります。


 従来、家庭経営の研究対象として、食生活、

 衣生活、住生活、児童などの
家庭内生活や

 消費者、地域、環境問題などの社会生活を

 中心としてきましたが、家庭生活は、生産技術

 の進歩や流通機構の発達、核家族化や人口の

 高齢化、老後の生活、社会福祉の問題等、

 内外の環境の変化に対応して、家庭生活全体に

 かかわる家庭の財産の維持という新たな課題も

 生じてきました。


 財産といえば、会社を対象とした経営学が中心で

 したが、会社と家庭は、最終的な目的が異なり

 ます。

 会社は営利を目的としていますが、家庭の目的は、

 貨幣経済活動により家庭の役務の対価である

 収入と消費を通して、いかに消費満足を高めるか

 ということにあります。

 会社においてはコストを極力小さくすることが

 望ましいとされますが、消費は家庭の経済活動

 そのもので、家庭においては消費が小さければ

 よいというわけではなく、いかに満足度の高い

 消費をしていくかということが、家庭生活の

 テーマといえます。


 これらの課題に対して、健全で持続可能な家庭を

 作るため、生活資源(人的・物的資源)を合理的に

 配分し、家庭生活の全てにわたって有効に活用し、

 また家庭生活の状況を判断し、問題点に気づき、

 原因を分析し、合理的な選択をし、解決策を考える

 ことが家庭経営の研究課題といえます。



   


    家庭生活と会計に関する領域(家庭会計学)

  現在の資本主義経済社会において、日常的に

 貨幣の経済活動が行われていますが、この活動を

 組織的に報告する方法として会計学があります。


 会計とは、特定の経済主体の構成員が営む経済活動

 およびこれに関連する経済的事象を、主として

 貨幣額で測定しかつ伝達する行為です。

 会計の目的、内容は、会社、個人商店や家庭など

 経済主体を構成する人たちの意思や要求によって

 決まるものであり、この意思や要求は、時代と

 環境の変化によって常に変わるものとされて

 います。

 また、経済主体を構成する要素ごとに必要とする

 会計情報は異なりますが、この会計情報を必要と

 する主体を会計主体といい、この会計情報

 (決算書)を作るためのツール(技術)が

 複式簿記です。


 また、ツール(技術)としての複式簿記は、

 
15世紀末にイタリアの数学者ルカ・パチョーリに

 よって著作にまとめられ、ドイツの文豪ゲーテも

 名作『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の

 中で「立派な経営者は誰でも経営に複式簿記を

 取り入れるべきなんだ」と、記しています。


 この複式簿記を利用し、営利を目的とする

 会社(法人)は、一般に公正妥当と認められる

 企業会計の基準に準拠し、会計情報として、

 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ

 フロー計算書、株主資本等変動計算書)を作成し、

 これを比較、分析し、意思決定に利用することに

 よって発展、成長を遂げてきました。


 現在、会社(法人)を研究対象として会計学、

 財務諸表論、簿記学、監査論、原価計算などの

 研究が行われています。


 家庭生活でも経済事情、取引の複雑化など家庭を

 取り巻く環境は大きく変化し、貨幣の管理を

 自分で行う時代、すなわち個人個人が、自己責任に

 基づく管理をすることが求められる時代になり

 ました。


 家庭の経済活動は貨幣額によって測定される

 必要があります。

 貨幣は諸種の財貨や用役を比較可能な状態に

 置く共通の尺度です。

 複雑かつ多面的な家庭生活の経済活動は貨幣額に

 よって表現され、初めて統一的に把握することが

 可能となります。


 家庭会計は家庭生活に関する情報を収集、測定、

 報告する仕組みであり、その最終目的は家庭経営者

 に対して、適切な会計情報を伝達することです。

 この会計情報が、家庭決算書です。


 家庭決算書は、家庭簿記という複式簿記の一定の

 ルールに従って、組織的に作り上げられた真実の

 情報で、家庭生活を継続的に明らかにしていく

 会計情報です。


  家庭決算書は、財産対照表と消費損益計算書と

 いう
2つの報告書から構成されています。


 財産対照表は、家庭の財産の状態を表すもので、

 資産、負債と正味財産という内容で構成され、

 資産は負債と正味財産の合計に一致します。


  消費損益計算書は、家庭の収入から消費を

 差し引いて消費損益を計算します。


 また、両者は一体となって構成されており、

 どちらか一方が欠けてしまうと、会計情報と

 して家庭の経営には役立ちません。

 財産対照表は
1年のある時点、例えば年の初めとか、

 年の終わりなどにおける家庭の財産の状態を

 明らかにしてくれます。

 家庭の財産は、家庭生活をすることによって、

 年の初めと年の終わりで増減します。

 消費損益計算書は、財産の増減の原因を明らかにし、

 どうして財産がこのように増えたのか、減ったのか、

 その理由をはっきりさせます。


 また、この家庭決算書は1年で終わることなく、

 今年終えた財産対照表の結果をそのまま翌年へ

 繰り越す(つなげる)ことができ、翌年、家庭の

 消費活動を記録していくことで、さらに再来年

 またその次の年へとつなげていくことができます。


 私たちの家庭生活は1年で終わりではありません。

 これから先、何年、何十年という長い家庭生活を

 送るわけですから、自分たちの家庭生活がどの

 ように変化したのか、その歴史を継続的に記録し

 ておくことは有意義です。

 それは自分たちの財産の歴史が継続的に記録され

 るのと同時に、自分たちの家庭の歴史も継続的に

 記録されることにつながります。


 給与所得者は、労働の対価として収入を得て、

 それを消費し、家庭生活を維持するために、

 家庭の現状についての正しい情報を持ち、

 さまざまな意思決定をしなければいけません。


 「家庭管理の本質は、「意思決定」にあり、

 家庭管理の基本的目標は「個人の成長と発展の

 実現」(自己実現)にあり、その管理活動の

 動機づけとすぐ後に続く管理過程―計画・統制・

 評価―は、意思決定によって成り立ち、

 家庭管理は能率的な家事技術や作業の行動を

 重んじるだけではない知的活動である」として

 います。(『家庭管理論
新版』宮崎礼子・

 伊藤セツ編、有斐閣新書・
1989年、263頁)


 家庭でも会社(法人)と同様、家庭簿記

 (家庭用複式簿記)を利用して家庭決算書

 (財産対照表、消費損益計算書)という

 会計情報を作成することで、家庭生活の事実を

 数字で継続的に把握でき、結果と原因を分析し、

 比較し、意思決定に利用することによって

 バランスの取れた資源配分や消費満足の

 最大化が可能となります。


 したがって健全な家庭生活を維持、発展させる

 ためにも、
家政学の研究対象の一つとして、

 交換手段としての貨幣と家庭生活との関係から、

 
家庭会計という研究領域が必要だと考えられます。 



会計主体

複式簿記

会計情報

会社(法人)

会社簿記

財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書・株主資本等変動計算書)

給与所得者

家庭簿記

家庭決算書(財産対照表・消費損益計算書)



  Σ板軅験茲閥軌蕕亡悗垢詢琉茵焚板躑軌薐悄

 家政学の教育については、日本学術会議「大学

 教育の分野別質保証のための教育課程編成上の

 参照基準・家政学分野」(平成
25年(2013年)

 
515日)は、家政学固有の特性の(3)家政学の

 役割の
教育と福祉の向上への貢献において、

 「家政学を学修することは、福祉の向上、

 より質の高い生活の実現、および持続可能な

 将来を創り出すことを促進する教育や社会的活動の

 展開を支援することに繋がる。

 家政学の諸研究は、次世代が将来の生活の選択や

 知識と技術を総合した生活能力を習得するための

 教育として、学校教育における家庭科教育や

 生涯学習を含む多様な教育の場で活用される。

 それは、現在の生活を良くすることだけでなく、

 将来を見通して目指すべき生活像を明らかにし、

 それを実現させるための能力を獲得する科学と

 文化に裏打ちされた教育の実践である。

 このように、家政学は次世代の育成に大いなる

 貢献をするとともに、他者の生活支援のための

 専門家
()を養成することにも貢献している。

 また、福祉の向上や、より質の高い生活の実現、

 および持続可能な将来を創り出すための政策策定に、

 家政学の研究成果を反映させることなどは、

 家政学の社会的使命として重要である」と述べ

 られています。

 
 日本家政学会家政教育部会では、「家政教育とは、

 家庭、学校、社会等の人の一生の教育の場に

 おいて、家政学にかかわる諸分野をめぐる

 人間の調和的発達をはかり、人間の幸福・

 健康に基づき、人間社会の福祉・発展に寄与

 するための教育である」
また、「大学における

 家政教育の現状と課題、中学・高等学校教員の

 望む家政教育、衣に関するホームページの活用、

 家政学の社会貢献に関する調査研究、特色ある

 大学教育、大学における一般教育のシラバス収集・

 分析」を課題として挙げています。


 同じく、児童学部会においては、「今日の複雑化・

 多様化する社会の中の「子ども」について、

 心理学的、生理学的、文化的、社会学的など

 学際的・多面的なアプローチで研究を深めている」

 としています。


 一方、家庭生活を狭義の家庭生活と広義の家庭生活の

 それぞれの立場から、家政学の視点にたち、社会の

 さまざまな問題解決のため、
子どもから大人まで

 家庭生活に関する
教育方法を考えていく必要が

 あります。









第684回 家庭生活入門ー家政学への期待ー(10)


 第3章 家庭生活と家政学の研究領域

 3 広義の家庭生活による家政学の研究領域

 家政学は「家庭生活の主体である人間が、

 生きている現実の社会で、持続的に生活し

 続けることについて、人的・物的両面から

 研究し、安定し、調和のとれた生活とともに

 生活の向上を達成し、人類の福祉に貢献する

 実
践的総合科学である」という広義の立場

 からすると、現在の資本主義経済社会で

 直面する質的変化と社会的要請に応えて

 家庭生活を総合的、全体的な立場から研究

 することが必要だと考えます。


 経済社会の進歩、発展とともに、家庭生活の

 利便性と豊かさは拡大し,
IT化や情報化も

 急激に進み,経済も急速度にグローバル化

 していますが,物質的豊かさが必ずしも

 生活の豊かさを意味しないこと、経済性優位

 の社会変動が、生活する人間の生活の質を

 充実させてこなかったことなども明らかに

 なっています。

 さらに、社会の変化による生活の問題点、

 たとえば、核家族化や人口の高齢化、

 家族問題、老後の問題、社会福祉の問題、

 格差と矛盾の深刻な激化、地球規模の

 環境破壊などの環境変化をもたらしました。


 このような状況に対して、家政学そのものも,

 生産者の立場や販売する立場、純粋な学問的

 な研究だけではなくて、その時代の変化に

 対応して,家政学の研究の範囲を拡大して、

 総合科学としての家政学体系を組み直し、

 より質の高い生活を目指し、維持、向上、

 発展させていくため
に、自然科学、社会科学、

 人文科学など諸科学の研究方法を用いて、

 家庭生活を総合的、全体的な立場から研究

 することが必要となります。

 そして、人間が生き続けている社会において、

 人間と人間との関係および人間が日常生活を

 送るうえでかかわる物質との関係、また、

 それらを全体としてとらえ
, 家庭生活を進歩、

 発展させていくために、従来の方法ではなく、

 新しい時代のあり方や内容に適切な対応をし、

 
持続的諸条件を総合的に研究対象とすることが、

 家庭生活の視点から問われていると考えられ

 ます


 研究対象としては、消費者問題、社会福祉、

 政治参加の問題など政治に関係する問題の

 研究、家庭生活全体にかかわるものとして、

 国、消費者(需要)及び会社(法人・供給)の

 経済に関係する問題の研究、家庭生活で

 生じる法律に関する問題の研究、家庭生活の

 内部、社会との関係、財産の関係を調和

 させるための家庭の経営に関する問題の研究、

 また、日常の貨幣経済活動で交換手段として

 利用している貨幣が家庭生活においてどの

 ように使われるのか、健全な家庭生活を

 築くためにどのように管理することが必要

 なのかという家庭の会計に関する問題の

 研究、および家庭生活と政治・経済・法律・

 会計などについて、生活主体や児童に

 対する教育に関する問題の研究が研究対象

 になり、これら家庭生活と関係する諸問題に

 対する解決のための提言をすることが

 家政学の重要な使命といえます。


 このように、広義の立場から、固有の人格を

 持った人間が生き続けている現実の社会に

 おいて、家庭生活で直面する家政学の主な

 研究対象としては、
家庭生活と政治に

 関する領域、
家庭生活と経済に関する

 領域、
家庭生活と法律に関する領域、

 
家庭生活と経営に関する領域、家庭生活

 と会計に関する領域、Σ板軅験茲閥軌蕕

 関する領域の
6領域が研究対象として考え

 られます。


    家庭生活と政治に関する領域(家庭政治学)

 政治とは人々が生活する社会秩序を形成し、

 維持し、修正する活動であり、日常生活に

 おいて政治的観念はしばしば社会全体に

 影響が及ぶような問題を解釈する際に使用

 される規範であり、
福祉を向上させ、

 快適な生活の実現、及び、持続可能な将来を

 創り出すことを促進するような政策を形成

 することに寄与するものといわれています。


 現在の政治は、法の制定や執行を担保する

 権力という側面から、国際政治においては、

 国家間の力や協力の関係として、また、

 政治参加の議論では住民の要求とそれに

 対する行政機関の対応として取り上げ

 られることが多いとされています。


 政治学は、主に政府や地方自治体の政治に

 ついて研究し、
「政治」「行政」「国際」に

 関係のある
政治思想史、国家論、統治機構論、

 比較政治学、政治経済学、国際政治学、

 政治社会学、政策科学など
を主な研究領域と

 して
います。


 また、政治は、国だけでなく家庭、学校、

 企業など、私たちと密接なかかわりをもち、

 
一人一人の生活と切り離せません。

 
国民が選挙で選んだ議員(政治家)によって

 構成され、組織され、運営され、政治とは

 無縁ではいられません。


 すなわち、
政治の主体は国民であり、

 すべての国民は選挙という形で参加する

 権利を制度的に保証され、選挙を通じて

 議員(政治家)を選択することが最大の

 政治参加であり、選挙権を持った人間と

 して選挙に関心を持ち、政治改正などを

 要望することが、選挙で選んだものとして

 の当然の責任です。


 議員(政治家)の行動は、我々の生活を

 左右するもので、家庭生活で生じている

 社会福祉・社会保障制度・生活保障・

 生活環境問題・消費者問題・労働問題など

 の諸問題を対象として、生活者の視点から、

 解決策について提案することが、家庭政治学

 の研究対象となります。


     家庭生活と経済に関する領域(家庭経済学)

 「経済学は、日常生活を営んでいる人間に

 関する研究である。

 それは個人的ならびに社会的な行動のうち、

 厚生の物質的要件の獲得とその使用に

 きわめて密接に関連している側面を取り

 扱うものなのである。

 これはマーシャルの
Principles of Economics.

 1890.8th.ed.1920(
馬場啓之助訳『経済学原理』

 全
4冊、東洋経済新報社、1965 ~1967)

 冒頭に述べられた定義である」といわれて

 います。(『近代経済学(
1)基礎理論』

 大石泰彦・熊谷尚夫編、有斐閣双書・
1970年、

 
2頁)


 現在の資本主義経済社会において、経済主体は

 人間によって成り立っていて、人間生活の

 日常的な業務として、社会的なつながりを

 持って一つのまとまりのある活動を形作り、

 経済秩序を作り上げます。経済主体は、国、

 法人(企業)と個人(家計)に区分され、

 各経済主体は、それぞれ生産者としては

 極大利潤、消費者としては極大満足を目的と

 して経済行動をします。

 また、人間の家庭生活を維持、向上させる

 ために必要な財や用役を獲得する行為は、

 一般的に経済行為といい、各経済主体は、

 人間を害するような行為をしてはいけないし、

 同時に、人間と自然を調和させる相互依存の

 関係を保つように行動することが第一義と

 されます。


 このような社会において、経済学は、経済

 全体の動きに関心を持ち、社会全体および

 国民全体に関する政策を目標とし、
経済性、

 利便性、社会の進歩をもたらす国民経済学、

 経済政策論、経済改革、経済分析、国民所得、

 景気循環、国際経済や地球環境問題などを

 主な研究課題としています。


 これに対して、家庭経済学は、第1に家庭経済

 を国民経済、世界経済の中に位置づけ、それら

 とのかかわりで家庭の経済活動を考えていく

 こと、第
2に家庭経済学独自の理論の確立と

 それに伴う家計管理の実践、豊かな生活の

 実現を目指すことが必要であり、家族の

 生活要求を実現し、家庭の経済的安定、

 向上と福祉の増進を図るという独自の目的を

 持っている。

 そのためには生活要求を明確にし、実現に

 向けての問題点の解決とその方途を検討する

 とともに、家庭の福祉の増進につながる

 ものは、貨幣価値を持たないものでも

 研究対象として取り上げるなど、家庭の

 立場に立った家庭経済学の確立が望まれる

 としている。(『テキストブック家庭経済学

 (新版)』江見康一・伊藤秋子編、有斐閣

 ブックス・
1989年、295頁)


 家庭生活の周囲には、貧困や失業による

 物質的生活水準の低下や道徳的水準の低下を

 もたらすような社会の歪み・矛盾など

 改善すべき多くの問題があり、家庭生活を

 持続し向上させる視点から家庭経済の

 研究対象とすることも必要です。


    家庭生活と法律に関する領域(家庭法律学)

 法は、客観的には社会を規律する規範であり、

 正義を意味し、主観的には権利を意味し、

 法律は現実の個別事例に対する適用を通じて

 法を具体化するための手段だといわれて

 います。

 したがって法律は国民に対し強制力を有し、

 また、法を具体化するために文章化され、

 家庭における夫婦や家族、企業、学校、国、

 県、市町村など国民に対し、社会生活を

 秩序づけるための体系と強制力を有して

 います。


 すなわち、われわれの日常生活はすべて

 法的生活であり、法律と生活がどのように

 相互に作用しあっているか、関係する法律は

 何であるのか、その内容はどうであるのかを

 理解し、読みとることが、法律を生活の

 道具とする第一歩であり、現代社会で

 生きる力をつけるための有効な方法である

 としています。

 (『現代社会の生活経営』御船美智子・

 上村協子共編者、光生館・
2001年、31頁)


 家庭生活と関係のある法律としては、現在、

 民法・刑法・行政法・税法・訴訟法などが

 ありますが、家庭生活を行う中での様々な

 法律とのミスマッチを掘り起こし、社会の

 一員として法律問題を研究し、法律を改善し

 ていく方向を探っていくことが要求されて

 います。




第683回 家庭生活入門ー家政学への期待ー(9)


 第3章 家庭生活と家政学の研究領域

 2 狭義の家庭生活による家政学の研究領域

 家庭生活を個々の家庭を中心とする考え方で、

 家庭は、人間が人間らしく生きる拠点で、

 生活をする場所・空間であり
、主体である

 人間が、家庭という場所で生きていくために

 衣、食、住を営み、家族員の生命及び

 労働力を再生産する諸活動・営みであると

 考えています。


 この立場から、家政学の研究領域としては、

 /物学、被服学、住居学、せ童学、

 ゲ板躔弍蝶悄↓Σ叛教育学の
6領域から

 成り立っているとし、これら全体とかかわる

 領域として家政学原論があるとされています。


 日本学術会議「大学教育の分野別質保証の

 ための教育課程編成上の参照基準・家政学分野」

(平成
25年(2013年)515日)においては、

 家政学の研究領域が、
食べることに関する

 領域、
被服をまとうことに関する領域、

 
住まうことに関する領域、 子どもを

 産み育てることに関する領域、
家庭生活を

 営み社会の中で生きることに関する領域の

 
5領域に大別されています。


 また、家政学は、多くの領域があり、人間の

 生活に関わる広範な学科目を有しており、

 隣接するまたは基礎となる多種類の自然科学、

 社会科学および人文科学の学問領域に立脚し

 ている。


 人間の生活は上記の
5領域に属する生活行動を

 組み合わせつつ、
1日という限られた時間の

 中で営まれ、日々繰り返しながら年月を

 重ねて行く。

 そのため、各領域に属する広範な諸行為を

 適正な判断の下に、総合して捉えることが

 重要であるとしています。


   食べることに関する領域(食物領域)

 この領域は、人の生命維持に最も重要な役割を

 果たすとともに精神的な豊かさをもたらす

 食生活に関する領域を研究教育の対象とし、

 食品、調理、栄養、食品衛生
  (安全)

 公衆衛生、食文化などに関する学科目が

 設定されています。


   被服をまとうことに関する領域(被服領域)

 この領域は、人の生命維持に必要な体温の

 保持に加え、人の心に安らぎを与えると

 ともに社会の中で生活するために必要な、

 衣生活に関する領域を研究教育の対象とし、

 被服材料
(主として繊維製品)、被服構成

 
(服作り)、被服整理(洗濯)、被服衛生

  (
被服と身体との関わりや着心地)、色彩、

 デザイン、服飾史などに関する学科目が

 設定されています。


   住まうことに関する領域(住居領域)

 この領域は、人の生命維持およびより質の

 高い住生活の実現を目標として、住生活、

 住環境に関する領域を研究教育の対象と

 している。

 住居および住環境計画、空間
デザイン・

 設計製図、住宅構造・材料、環境衛生・

 設備、防災、住居管理、住宅経済、住宅問題、

 住宅史などに関する学科目が設定されて

 います。


    子どもを産み育てることに関する領域

 
(児童領域)


 この領域は、受胎から出産をはじめとして

 成人に至るまでの次世代の育成を目標として、

 児童に関する領域を研究教育の対象と

 している。

 保育、教育、児童発達、児童臨床、児童福祉、

 児童文化、家庭教育などに関する学科目が

 設定されています。


  家庭生活を営み、社会の中で生きる

 ことに関する領域
(家庭経営領域)


 この領域は、人が生命を維持するために

 必要な睡眠をとり、心身ともに休養し、

 より良い生活のための再生産の場としての

 機能を有する最小単位の家庭
(複数の人で

 構成されている家庭または単身者のみの

 家庭を意味する
)の運営、家族または近隣の

 人との関わりや社会における種々の集団に

 属する人との関わりなどを通して社会の中で

 生きることに関する領域を研究教育の対象と

 しています。

 家庭経済、家庭管理、生活設計、家族・

 地域社会、消費者問題、ジェンダーなどに

 関する学科目が設定されています。






第682回 家庭生活入門ー家政学への期待ー第3章 家庭生活と家政学の研究領域(8)


 第3章 家庭生活と家政学の研究領域

  1 家政学の研究領域

  家庭生活を研究対象とする家政学は、

 個人・家族レベルでの生活技術の習得に加え、

 生活環境の改善や向上のために、社会的・政治的、

 かつ、実践的、具体的な施策を提案し、また、

 生活向上のために、生活問題の解決、将来予測

 される生活問題の予防に加え、安心・安全な

 生活の営みの保障など、現実に世の中にある

 色々な疑問や矛盾といった具体的な問題を解決し、

 世の中全体の向上に役に立つことが求められて

 います。


 そのためには、その時代に合わせて,家政学の

 研究の範囲を拡大して、総合科学としての

 家政学体系を組み直すことが必要だといわれて

 います。


 この点について、日本学術会議「大学教育の

 分野別質保証のための教育課程編成上の

 参照基準・家政学分野」(平成
25年(2013年)

 
515日)は、「家政学固有の特性」の

 「(
1)家政学に固有な視点」において、

 「家政学は人間生活における人と環境との

 相互作用を対象としている。

 本来、人も環境も静止しているものではなく、

 人と人、人と物、さらに、人とそれらを

 取り巻く環境とが相互に複雑に関連しながら

 変動している。


 人は、生まれ、育ち、学び、仕事をし、遊び、

 創り、次世代を育て、命がつきるまで
社会の

 中で生きる。

 すべての人が社会の最小単位である生活の場を

 形成し、自然環境や社会環境と共生しながら

 人間として自立して生きていくための知識や

 技術を研究し、提案する学問分野が家政学である。

 その固有の視点は、次の
3つにまとめられる。


 第一は、常に変化する人と環境との関係が

 研究対象であるという視点である。


 第二は、変化するものとの関係の中で人間生活の

 本質的な価値は普遍的であるという視点である。


 第三は、人そのものに視点を置き生活の質の

 向上や持続可能な社会を実現するという視点

 である。」と説明しています。


 ここでいう、「すべての人が社会の最小単位で

 ある生活の場を形成し、自然環境や社会環境と

 共生しながら人間として自立して生きていく

 ための知識や技術を研究し、提案する」とは、

 家庭という生活の場において展開される人間の

 生活そのものを研究対象とすることを意味して

 いると考えられます。


 また、「人は、生まれ、育ち、学び、仕事をし、

 遊び、創り、次世代を育て、命がつきるまで

 社会の中で生きる」ことに対して、固有の

 視点の第三で、「人そのものに視点を置き

 生活の質の向上や持続可能な社会を実現する

 という視点である」と述べているように、

 家庭生活の主体である人間が、現実社会に

 おいて持続的に生き続けていくための

 すべての諸活動を研究対象とすることが

 家政学の固有の視点であることを意味して

 いると考えられます。


 このような点から、家庭生活を対象とする

 家政学の研究領域として、
2つの研究領域が

 考えられます。


 一つは、家庭生活を、家庭とは、人間が

 人間らしく生きる拠点で、生活をする場所・

 空間であり
、この家庭という場所で、

 主体である人間が、生きていくために

 衣、食、住を営み、生命及び労働力を

 再生産する活動そのものを研究領域と考える。


 二つは、家庭生活を全体としてとらえ、

 家庭生活の主体は人間であり、人間が

 生きている現実の社会で、持続的に生活し

 続けていくためのあらゆる諸活動を

 研究領域だと考える。


 前者を狭義の家庭生活による研究領域、

 後者を広義の家庭生活による研究領域とし、

 両者の研究領域の関係は、次のようになります。

 

        家政学の研究領域

狭義の家庭生活による研究領域

広義の家庭生活による研究領域

食物に関する領域

政治に関する領域

被服に関する領域

経済に関する領域

住居に関する領域

法律に関する領域

児童に関する領域

経営に関する領域

家庭経営に関する領域

会計に関する領域

 

教育に関する領域

 

 











第681回 家庭生活入門ー家政学への期待ー(7)

  第2章 家庭生活と家政学

   3 広義の家庭生活と家政学

 資本主義経済社会において新しく営利を目的とする

 会社(法人)の設立を認めた結果、会社(法人)の

 進歩・
発展に伴い、生活の利便性と豊かさは拡大し,

 
IT化や情報化も急激に進み,経済の急速度な

 グローバル化に伴い、家庭を取り巻く内外の環境が

 変化し、家庭生活も、これまでとは質的に異なる

 大きな変化をしました。


「例えば、主婦がパートをするとか共働きをするとか、

 さまざまな生活形態が生じ、家族形態については、


 家族とは、「血縁や婚姻による小集団としての家族」

 と「生活を共同する人々としての家族」に区分される

 が、「血縁や婚姻による小集団」と「生活を共同する

 人々」がイコールとは限らない。

 例えば、血縁関係のない親子、家計はひとつだが

 妻と子供はローン付きの持ち家で暮らし、夫は

 単身赴任という生活空間が分離した家族、

 家族員それぞれに収入があり別々の財布で暮らす

 「個計化」した家族など,これからの社会は

 従来の家族の定義では捕えられない家族形態が

 生じているといわれています」。

 (『現代社会の生活経営』御船美智子・上村協子

 共編著、光生館・2001年、25頁)


 「消費については、消費を、消費の対象から見ると、

 狭義には市場で販売されている消費財・サービスの

 購買・サービスであるが、広義には、〇埔譴

 販売されている消費財・サービスに加えて、

 公的に提供される医療・福祉・教育などの公共財・

 サービス、C楼茲覆匹廼ε(共同・協同・協働)に

 提供される共助財・サービス、せ篥なアンペイド・

 ワークによって提供される自給的生活財・サービス、

 ヅ形鎧餮擦修里發里砲茲辰督鷆,気譴觴然環境財・

 サービスなど生活のために利用できる財・サービスを

 活かす行為である。


 また、消費のプロセスから見ると、狭義には購買、

 法律的には消費者契約、経済的には消費者取引で

 あるが、広義には、〃戚鵝購買前の消費への探索、

 購買(金銭を使って消費財・サービスを得る)、

 「独自化」「自事化」(消費財・サービスを自分の

 ための生活手段に転化する)、ず能消費(生活手段

 を利活用して満足を得る)、ソ萢(満足を得た後の

 消費財・サービスの処分・再利用)、η儡・

 リサイクル(処分・再利活用後の廃棄・社会的再生)の

 
6つの段階がある」(『消費者科学入門』

 御船美智子編著、光生館・
2006年、5頁)といわれて

 いて、従来の消費とは大きく変化しています。


 一方、経済社会の進歩発展に伴い、格差とか社会の

 矛盾などの深刻な激化,地球規模の環境破壊などを

 もたらしました。


 このように、現実の社会において、生産者の立場、

 販売する立場や消費者の立場など
その時代の変化に

 合わせて,家政学そのものも研究の範囲を拡大し,

 
総合科学としての家政学体系を組み直すことが

 必要だと考えられます。


 広義の立場における家政学の考察の対象とするのは、

 家庭生活の主体である人間が、現実の社会で持続的に

 生き続けるための諸条件です。


 例えば、日本においては、貴族社会、武家社会や

 資本主義経済社会への変化と、この社会における

 貴族、武士、町民、農民、漁民、経営者また

 給与所得者への変化など現実の社会で行なってきた

 持続的生活のための諸条件が対象となります。


 そして、家庭生活をしている現実の社会で、

 人と人とのかかわり、人と物とのかかわり、

 および家庭生活とそれをとりまく環境とのかかわりを

 全体としてとらえることによって、世の中にある

 いろいろな疑問や矛盾といった具体的な諸問題、

 例えば公害問題、消費者問題、格差問題など

 家庭生活で直面する
課題に対し、生活の本質に

 立ち返り,その
要不要是否を判断し

 
解決策を提案することだと考えます。


 そのためには、家庭生活の主体は人間であり、

 人間が生きている現実の社会、例えば、生まれた

 時代、国、場所(地域)、社会階層や家族形態など

 で、持続的に生活し続けていくためのあらゆる

 諸活動、例えば、政治、経済、法律、経営、会計、

 教育など
家庭生活の持続的諸条件を、それぞれの

 立場から総合的に考察し、その在り方や内容に

 適切な提言をすることが、社会的責務だといえます。


 このような点から家庭生活を全体としてとらえ

 広義の立場からすると、家政学は「家庭生活の

 主体である人間が、生きている現実の社会で、

 持続的に生活し続けることについて、

 人的・物的両面から研究し、安定し、調和のとれた

 生活とともに生活の質の向上を達成し、

 人類の福祉に貢献する実
践的総合科学である」と

 定義づけられます。






 

   18年目を迎えた、2020年版新・家庭経営ソフト「家庭決算書」  

    ベクターでダウンロード・発売中

      90日間試用無料                   

 

スタンダード版

プライベート版

ファミリー版

      「家庭決算書」の特徴

 

  「家庭決算書」は、家庭経営に役立ちます。

「家庭決算書」は、財産対照表と消費損益計算書から成り立っています。

「家庭決算書」は、家計簿と違い、一生、継続していきます。

「家庭決算書」は、1年間の家庭生活の成果を計算できます。

「家庭決算書」は、自分たちだけのオリジナルな会計情報です。

「家庭決算書」は、家庭簿記(家庭用複式簿記)を使って作られています。